住まいに個性と上質感をもたらすヘリンボーン柄の床は、リノベーションにおいて人気の高い選択肢のひとつです。
デザイン性だけでなく、空間全体の印象を大きく変える力を持つこの床材には、多くの魅力と工夫すべきポイントがあります。
本記事では、ヘリンボーン床の特徴から施工の注意点、間取りとの相性まで幅広く解説します。

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ヘリンボーン床とは?

ヘリンボーン床とは、木材をV字型に交互に組み合わせたフローリングの張り方を指します。
古くはヨーロッパの宮殿建築で用いられてきた歴史を持ち、重厚でクラシックな印象とともに、高級感のある空間演出が可能です。
日本国内でも近年リノベーションのトレンドとして注目を集めており、戸建て・マンションを問わず多くの住まいに採用されています。

ヘリンボーン柄の特徴と魅力

ヘリンボーン柄は、魚の骨のように見える独特の組み合わせが特徴です。
木目の方向が交互に交差することで、直線的な張り方では得られない豊かな陰影や立体感が生まれます。
そのため、シンプルな空間にアクセントを与えたい場合や、個性的な床デザインを求める住まいに最適です。
また、素材の色味や幅によって印象が大きく変わるため、自分らしい空間づくりが可能です。

空間に与える効果:高級感と奥行き

ヘリンボーン床は、視覚的な広がりを演出できる点も魅力のひとつです。
特にナチュラルカラーやミディアムトーンの木材を用いると、落ち着いた雰囲気とともに奥行きのある空間になります。
高天井や開口部の広い間取りと組み合わせることで、住まい全体が明るく開放的な印象に変化します。
逆に、濃い色の木材を選べば、落ち着きや重厚感を演出することも可能です。

事例紹介:憧れからはじまる暮らし

当社の施工事例では、築40年超のマンションをフルリノベーションし、LDKの床にヘリンボーン張りのナラ材を採用しています。
無垢材ならではの温もりが空間に自然な奥行きを生み出し、落ち着きのある上質な雰囲気を演出しています。
ヘリンボーン柄の床が住まい全体の世界観を引き締める役割を果たし、暮らしの中心となる空間に個性と洗練をもたらしています。

詳細ページ:「憧れからはじまる暮らし」

 

素材・施工方法の選び方と注意点

ヘリンボーン床の魅力を最大限に引き出すためには、素材の選定や施工方法に細やかな配慮が求められます。
こちらでは、張り方の種類や費用、施工時の注意点、素材の選び方などについて詳しく解説します。

張り方の種類と印象の違い

ヘリンボーンには主に「イギリス式(シングルヘリンボーン)」と「フレンチヘリンボーン」の2種類があります。
イギリス式は長方形の板材を交互に斜め45度で配置する一般的なスタイルで、柔らかくクラシックな印象を与えます。
一方、フレンチヘリンボーンは木材の端が斜めにカットされ、よりシャープで整然とした印象に仕上がります。

空間のコンセプトや家具との調和を考慮し、適した張り方を選ぶことが重要です。

施工費用と工期の目安

ヘリンボーン張りは一般的なフローリングに比べて施工に手間がかかるため、費用もやや高めです。
無垢材を用いた場合、材料費・施工費を含めて1㎡あたり20,000円前後からが目安となります。
複合フローリングであれば費用を抑えることも可能です。
また、施工期間については面積や張り方によって異なりますが、通常のフローリングよりも1~2日程度長くなる傾向があります。
スケジュールには余裕をもって計画しましょう。

施工時の注意点:ズレ・反り・音鳴り

ヘリンボーンの施工には高い精度が求められます。
柄のズレや隙間が生じると仕上がりに影響するため、熟練の職人による丁寧な作業が必要です。
また、無垢材の場合は湿度や温度の変化で反りや膨張が起こりやすく、施工前の「なじませ」工程が欠かせません。
さらに、床下の下地処理や防音材の敷設を怠ると、音鳴りの原因となることがあります。
特にマンションでは遮音等級にも注意が必要です。

実例紹介:デザインと暮らしやすさと

神戸市のマンションをリノベーションし、LDK全体にナラ材のヘリンボーンフローリングを採用した事例です。
木の質感と光の陰影が調和し、空間に奥行きと品格が生まれました。
床を起点に住まい全体のデザインが洗練された好例です。

詳細ページ:「デザインと暮らしやすさと」

 

無垢材と複合フローリングのどちらが良い?

素材選びでは、無垢材と複合フローリングそれぞれの特性を理解することが大切です。
無垢材は質感や香り、経年変化を楽しめる点で人気があり、SCHOOL BUSでもナラ材を中心に多く採用されています。
一方、複合フローリングは反りや膨張に強く、床暖房対応やメンテナンスのしやすさで優れています。
コスト、使用環境、デザイン性のバランスを踏まえて、自分の暮らしに合った素材を選びましょう。

 

ヘリンボーン床が映える間取り・インテリア

ヘリンボーン柄の床は、それ単体で十分な存在感を持つため、間取りやインテリアとの調和が重要です。
こちらでは、ヘリンボーン床が特に映える空間設計やインテリアの考え方について解説します。

ナチュラル・ヴィンテージ系インテリアとの相性

ヘリンボーン床は、ナチュラルテイストやヴィンテージ系の家具との相性が非常に良好です。
特にナラ材などの木の質感が際立つ素材は、北欧家具やアンティーク調のインテリアと美しく調和します。
落ち着いた色合いの床にすることで、空間全体に一体感と温かみが生まれ、長く飽きずに住める居心地の良さを提供します。

また、インテリアがミニマルでも、床が印象的なデザインであることで、視覚的なアクセントとなり単調さを回避できます。
家具が主張しすぎないデザインであればあるほど、ヘリンボーンの美しさが引き立ちます

小空間にも取り入れやすい使い方

ヘリンボーン張りは広い空間だけでなく、玄関や廊下、洗面室などの小さな空間にも適しています。
特に、縦長の空間に対して斜めのラインを取り入れることで、視線に変化が生まれ、奥行きが強調されます。
床面積が限られていても、素材や張り方にこだわることで空間全体の印象を格上げすることが可能です。

さらに、部分的なアクセントとしての採用も効果的です。
たとえば、玄関のみヘリンボーン柄にすることで、訪れた人に強い印象を与えられます。
廊下や一角に用いることで「見せ場」としての演出ができ、空間にメリハリが生まれます。

中古マンションでも採用しやすい理由

ヘリンボーン床は、マンションリノベーションでも導入しやすいのが特徴です。
遮音等級に配慮したフローリング材を選ぶことで、管理規約にも適合しやすく、近隣住戸への配慮も両立可能です。

また、天井高や開口部が限られているマンション空間でも、ヘリンボーンの斜めラインが視覚的広がりを演出し、実面積以上の開放感をもたらします。
床から空間全体をデザインする手法として、中古マンションこそヘリンボーンが生きる場面と言えるでしょう。

 

おわりに

本記事では、ヘリンボーン床の魅力とリノベーションにおけるポイントについて解説しました。
素材や張り方、間取りとの相性を丁寧に検討することで、住まい全体の印象は大きく変わります。
とくに都内や中目黒エリアでのリノベーションにおいては、空間の個性を際立たせる床デザインとして有効です。
施工事例のように、自分らしい空間づくりにお役立ていただけると幸いです。

タグ : ヘリンボーン リノベーション
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