鉄骨造リノベーションとは?軽量鉄骨と重量鉄骨の違いもご紹介
2020.10.03リノベーション木造住宅と比較すると非常に丈夫で、その寿命が長い鉄骨造住宅。
耐久性・耐震性・強度の3つの面で優れており、建て替えをせずともリノベーションすれば長く住み続けることができます。
デザインの自由度も高く、鉄骨造ならではのリノベーションの楽しみ方ができます。
本記事では、そんな鉄骨造リノベーションの魅力や注意点、軽量鉄骨と重量鉄骨の違いについてもご紹介していきます。
鉄骨造とは?
構造が鉄骨でできている耐震性に優れた建物のことを鉄骨造と言います。
構造的には木造住宅に近く、柱・梁の部分が木造の代わりに鉄骨で作られています。
鉄骨造は使用する鉄骨の厚みにより、その強度・寿命が変わってきます。
基準としては鉄骨の厚みが6mm以上であれば重量鉄骨、6mm以下であれば軽量鉄骨と認識されており、重量鉄骨の方が耐久性・耐震性・強度の面において軽量鉄骨より優れています。
しかし重量鉄骨はビル・マンションといった大きな建物の構造に用いられることが多く、一戸建て住宅には強度が強すぎるためあまり用いられることがありません。
一戸建て住宅には軽量鉄骨が多く用いられていますが、鉄骨の厚さが1mm違うだけでも強度や耐久性は大きく変わるため注意が必要です。
鉄骨造の寿命は?
鉄骨造の寿命は、鉄骨の厚みによってその年数が違います。
国税庁による法定耐用年数を見ると、3mm以下の厚さは19年、3mm~4mmの厚さは27年、4mm以上の厚さは34年となっています。
木造住宅の耐用年数は22年なので、鉄骨造のリノベーションを行う際は最低3mm以上の厚さの鉄骨が使用されている物件を選択するのが良いでしょう。
鉄骨造リノベーションの魅力
鉄骨造リノベーションの魅力についてさまざまな面からご紹介します。
安定した品質
鉄骨造の住宅は工場で加工された鉄鋼材の柱や梁などを使用しているため、その品質が安定しています。
木造住宅は職人が木材を加工するので、その技術の差が建物に大きく影響しますが、鉄骨造は一定した水準の仕上がりが保証されています。
また鉄骨造は地震が起きた時でもしなりながら揺れるため、木材やコンクリートのように折れる心配がありません。
こういった安定の品質は、リノベーションのうえでも役立ちます。
木造住宅は古くなると耐震基準に満たない場合が多いのですが、鉄骨造は元々が丈夫に造られているため建て替えよりはリノベーションに向いていると言えるでしょう。
デザイン自由度が高い
鉄の品質が高いため、柱の本数が少なくとも建物の強度を保つことができます。
そのためデザイン自由度も高く、間取りの変更や大きな空間を作ることも可能です。
また内観だけでなく、外観のデザインに関しても自由度が高いので「跳ね出し」などの手法が使われることもあります。
鉄骨造リノベーションの注意点
では、鉄骨造リノベーションの際の注意点は何でしょうか?
錆び防止のための防水対策と結露対策
構造部分の鉄骨に錆びが生じると劣化が進みます。
そのため錆び対策はもちろん、建物自体の機密性を高くするために結露対策も必要になります。
雨水が入りやすい場所には防水工事を行ったり、アルミサッシ・窓ガラスを気密性の高いものにしたりと対策を施しましょう。
換気システム・空調・間取りなどの風通しを良くするなどの工夫を行うことも大切です。
古くなると費用も高くなる
築年数が長い建物は、鉄骨劣化が進んでいるのでリノベーションの前に補強が必要になる場合があります。
補強工事となるとコストがかさんでしまうため、元々の予算を上回ってしまう可能性も出てきます。
古い鉄骨造をリノベーションする際は、築年数に注意が必要です。
軽量鉄骨・重量鉄骨の違い
軽量鉄骨と重量鉄骨は、鉄骨構造の中でも異なる特性を持ち、使用目的によって使い分けられています。
軽量鉄骨は、比較的薄くて軽い鉄鋼材を使用し、主に住宅や小規模な建物に用いられます。一方、重量鉄骨はその名の通り重量があり、厚みのある鋼材で構成されており、大型の商業ビルや高層ビルなど、強度が要求される構造に使われます。
軽量鉄骨はコストが低め、施工も比較的簡単ですが、重量鉄骨はより大きな荷重に耐えることができるため、強固な基盤を作ることができます。
軽量鉄骨のリノベーションについて
軽量鉄骨のリノベーションは、その特性を活かしながら施工を行うことが大切です。
軽量鉄骨構造は比較的柔軟性があるため、改装や追加工事がしやすいという魅力があります。
たとえば内部の間仕切りを変更したり、窓・ドアの位置を調整したりする際にも、軽量鉄骨の構造は適応しやすいです。
ただし軽量鉄骨は耐火性や断熱性に関しては少し劣る場合があるため、リノベーション時にはこれらの要素に配慮する必要があります。
適切な材料や技術を選ぶことで、快適で機能的な空間を実現することができるでしょう。
軽量鉄骨のリノベーションのメリット
軽量鉄骨のリノベーションのメリットについてご紹介します。
柔軟な設計変更ができる
軽量鉄骨の最大のメリットの一つに、比較的設計変更がしやすいという点が挙げられます。
軽量鉄骨は比較的軽く、構造的にも柔軟性があるため、リノベーションの際に間取りの変更や部屋の追加がスムーズに行えるのです。
たとえば「開放的なリビングスペースを作りたい」という場合や、「部屋をいくつかに分割したい」という場合でも、軽量鉄骨の特性を活かして対応することができます。
コストを抑えられる
軽量鉄骨は、重量鉄骨に比べて材料費や施工費が低く抑えられるため、リノベーションのコストを削減できます。
鉄骨の軽さにより運搬や施工も行いやすいため、全体的な費用が比較的抑えられるのも大きなメリットだと言えます。
これにより、予算に合わせたリノベーションが可能となるでしょう。
施工が迅速に行える
軽量鉄骨はその軽さから、施工が迅速に行えるというメリットもあります。
施工がスピーディーに行えるため、工期は短く、早めにリノベーションを完了させられるケースも少なくありません。
これにより、工事中の生活への影響を最小限に抑えることができるというのも嬉しいポイントと言えます。
環境への配慮
軽量鉄骨のリノベーションは、再利用やリサイクルの面でも環境に優しい素材ということをご存知でしょうか?
軽量鉄骨の材料はリサイクル可能であり、古い鉄骨を再利用することで環境への負荷を減らすことができるのです。
施工中に発生する廃材も比較的少ないという点も、地球環境にやさしいエコな素材であると言えるでしょう。
軽量鉄骨リノベーションの注意点
軽量鉄骨リノベーションの注意点についてご紹介します。
耐火性の確認をしておく
軽量鉄骨は耐火性能が低めであり、火災時にその強度が損なわれてしまう可能性もゼロではありません。
リノベーション時には、耐火材料を使用し、防火対策を強化することが重要です。
断熱性を確保する
軽量鉄骨の建物は、断熱性が劣ってしまう場合もあります。
断熱材を適切に取り付けることで、快適な室内環境を維持できます。
荷重の考慮
軽量鉄骨は軽量であるため、大きな荷重に対しては構造的な補強が必要です。
新たに重い設備・収納を追加する場合、荷重を十分に考慮して補強作業を行いましょう。
施工業者の選定
施工業者の選定
軽量鉄骨の特性を理解して、適切な施工ができる専門業者を選ぶことがリノベーションの成功には欠かせません。
信頼できるリノベーション業者に依頼し、施工品質や安全を確保できるようにしましょう。
おわりに
本記事では、鉄骨造リノベーションの魅力や注意点、軽量鉄骨と重量鉄骨の違いについてご紹介しました。
品質やデザイン面において安心の鉄骨造はリノベーションに最適です。
鉄骨造住宅をリノベーションによってさらに長持ちさせられるようにしていきましょう。
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