杉並区は東京23区のなかでも、特に緑豊かな土地であることから、子育て世代や高齢者に人気のエリアです。
地域の住宅環境の向上や住民の生活支援を目的に、杉並区ではさまざまな住宅リノベーションに対する補助金制度を設けています。
たとえば、高齢者や障がい者の暮らしやすさを確保するバリアフリー改修、住宅の耐震化、省エネルギー設備の導入などが対象です。
本記事では、杉並区のリノベーション補助金・助成金制度について解説します。

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杉並区の補助金制度の種類と目的

杉並区では、住宅の安全性・快適性・環境性能の向上を目的として、複数のリノベーション補助金・助成金制度の用意があります。
これらの制度は高齢者や子育て世帯への支援、災害への備え、エネルギー効率の改善といった社会的課題に対応しています。
下記にて、杉並区が実施している補助金制度の種類と目的について解説します。

住宅修築資金の融資あっせん

住宅修築資金の融資あっせんは、住宅の修繕や増築に対して最大500万円までの融資を区があっせんするものです。
金利については金融機関と比較すると低い傾向にあることから、生活費の圧迫を抑えることができます。

建物の耐震化に関する助成制度

建物の耐震化に関する助成制度では、木造住宅を対象に最大100万円までの助成が受けられます。
耐震診断や設計も対象となる場合があり、老朽化した住宅の安全性確保に役立ちます。

再生可能エネルギー等導入助成および断熱改修等省エネルギー対策導入助成

再生可能エネルギー等導入助成および断熱改修等省エネルギー対策導入助成とは、省エネ改修に関する補助制度です。
太陽光発電設備や高断熱窓などを導入する際に、最大15万円までの補助が受けられます。

居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給

居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給とは、高齢者や要介護者の自立支援を目的とした補助制度です。
手すり設置や段差解消などのバリアフリー工事に対し、最大20万円の助成が行われます。

上記以外にも、杉並区では雨水浸透施設工事費助成や高床化工事の助成、防水板設置工事費の助成、屋上・壁面緑化助成などがあり、多角的な支援が実施されています。
これらの制度にはそれぞれ細かな要件や期限が設けられているため、全員が必ず補助を受けられるというわけではありません。
リノベーションを計画する際には、補助金の適用可能性を見据えた設計・施工の計画が、費用対効果を高める鍵となります。

 

補助金を使うメリットと注意点

こちらでは、補助金を使うメリットと注意点をご紹介します。

補助金で得られるメリット

補助金を活用することで、住宅改修にかかる工事費の一部を行政が負担してくれるため、自己負担額を抑えることができます。
たとえば、バリアフリー化や断熱改修など、将来的な事故予防や光熱費削減につながる改修工事に対しても助成されます。
また、改修により住宅性能が向上すれば、住み心地だけでなく資産価値の維持・向上にもつながります。
住宅ローン減税や固定資産税の軽減措置と組み合わせることで、さらに経済的な効果を得られる可能性も期待できます。

申請時に注意すべきポイント

杉並区の補助金制度を利用する際は、「工事前」に必ず申請・承認を得る必要があります。
すでに工事が始まっている場合や、事前相談を行っていない場合は、給付の対象外となるため注意が必要です。
制度ごとに必要書類や対象工事、対象世帯の条件(年収制限や所有者の有無など)が異なります。
また、要件を満たす登録業者による施工が求められるケースがあるため、業者選定の段階から制度活用を前提とした計画が重要です。

補助金対象外になるリスク

誤って自己判断でリノベーション工事を始めてしまうと、補助金が給付されないリスクが潜んでいます。
住宅の構造や建築年数、工事内容といった助成の条件を満たさない場合、たとえ書類を提出しても不支給となる可能性があります。
申請受付期間が短い制度も多く、予算上限に達した時点で締切となることも考えられます。
そのため、杉並区で補助金制度を利用する際は、スケジュール管理と制度内容の最新確認は必須です。

 

補助金申請の流れとスケジュール

補助金の申請から給付までの流れは、以下のようなステップで進行します。

作業 詳細 スケジュール
事前相談 杉並区役所や担当課に制度内容を確認
補助金により、任意または必須が異なる
着工の2ヶ月前が目安
申請書類の提出 工事計画書・見積書・本人確認書類などを準備 提出から審査結果までは2~4週間程度
審査・交付決定 正式な通知後に工事着手
工事の実施 工事期間は規模によって異なる おおよそ2週間~2ヶ月程度が一般的
工事完了後の報告書提出 完了報告と領収書などを区に提出
補助金の給付 報告書の送付後、申請先が内容を確認し、補助金を給付する 約1ヶ月以内に給付が実施される

全体として、申請から給付完了までは約3~4ヶ月を目安にすると良いでしょう。
補助金を確実に受け取るためにも、スケジュールには余裕を持った対応が求められます。
注意点として、ほとんどの補助金は完了報告書をもとに支払いを判断するため、事前の工事費は自費となります。
補助金制度を利用する際に、事前に受け取れる・前金と誤認するケースがあります。
そのため、補助金制度を利用する際でも、事前に費用が必要となる点には注意が必要です。

 

杉並区の補助金に対応している施工会社を選ぶポイント

杉並区では、リノベーションの際に補助金や助成金を利用できる企業が多くあります。
杉並区の補助金に対応している施工会社を選ぶ際には、下記のポイントを押さえておきましょう

登録事業者・助成対応実績の確認

補助金を利用するには、杉並区が定める条件を満たす施工会社であることが求められます。
特に、高齢者住宅改善助成など一部の制度では、指定・登録された事業者でなければ申請が受理されないこともあります。
過去に杉並区で補助金を利用した実績や、申請に必要な書類作成や行政対応に慣れているかどうかの確認が重要です。
初めて申請する方にとっては、こうしたサポート力のある事業者が心強いパートナーとなります。

プラン提案力と費用透明性

補助金対象となる工事内容には明確な要件があるため、それに沿ったリノベーションプランの提案が判断材料になります。
たとえば、省エネ改修に必要な断熱材の選定や、高齢者向けの安全設計などに対する具体的な知見を持っているかは重要です。
さらに、見積もりの段階で工事項目や助成対象費用が明確に記載されていることも大切です。
費用面での不安を取り除くためにも、補助金適用前後の金額差や自己負担額の内訳を丁寧に提示してくれる施工会社を選びましょう。

 

おわりに

本記事では、杉並区のリノベーション補助金・助成金制度について解説しました。
子育て世帯や高齢者から高い支持を得ている杉並区では、下記のような補助金制度があります。
・住宅修築資金の融資あっせん
・建物の耐震化に関する助成制度
・再生可能エネルギー等導入助成および断熱改修等省エネルギー対策導入助成
・居宅介護(介護予防)住宅改修費の支給

これらにはそれぞれ補助を受けるための条件が設けられています。
一方、補助金は工事が完了してから支給されるため、事前の工事費用は用意しなければならない点には注意が必要です。
杉並区でリノベーションを実施する際は、費用負担を軽減するために補助金の利用可否を確認しておきましょう。
  

タグ : 杉並区 補助金 リノベーション
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